所長のひとひら通信2008/10月





 〜2008.10.21〜
  「唄ことば集」制作日誌
                下田通信所 所長 西谷千里



「“セクシィ“は完全な二行詩なんやなあ!って、あちこちでしゃべってるんですよ。今、詩集を創りはったらええんとちゃいますか!」
と写真家の糸川耀史さんに言われて、
”PARIS湯玉HAWAII”の第2弾として、英訳、仏訳の歌詞集を作りたいと考えていた時だったので、一気に盛り上がって下田さんに伝えました。

「じゃあ、まかせるから。でも、行変えは大事だから、そこだけはチェックさせて」
もちろん、これが大嘘であることは承知していました。案の定、すぐに「タイトルは“唄ことば集”にして!」「表紙の色は黒がいいと思ってるんだけど!」
お尻のポケットに入るサイズで、活版印刷で、曲数は100。この3点は一致しました。

100曲へのしぼりこみは、考えただけでも大変でした。
下田さんの譜面を見ても、LPの歌詞カードを見ても、つい歌ってしまいます。
そこで、ワープロで文字を打ってみました。
縦書きにしてみました。「ほお!」
次に、声に出して読んでみました。「ほお!」
私の中からメロディを消す作業です。何百曲かの作業へと進んだ時、完全にメロディが消え、文字の美しさが浮かんできました。

ヒット作家時代の提供作品は、数曲しか入りませんでした。
「へえ!こんな唄も書いてたの」と知ってもらえたらという想いもありましたのに。
エジプトから帰ってきた時に「もう、自分のためにしか創らないと決めた!」と言っていた意味が分かったような気がしました。

大好きな唄が外れたり、かと思えば、今まではあまり感じていなかったひとことが突き刺ささって、外せない1曲になった唄もあります。
100曲の予定が、145曲になった理由は、「これ入れたいんだけど」「これは外せないだろう」と下田さんが、どんどん、増やしたからです。
いまどき、お尻のポケットに文庫本を入れてる青年も見ませんが、145曲だと厚すぎて入りません。
活版印刷だと、値段が3倍、これまた気楽にポケットに突っ込めません。
活版でなくても活字の並びがきれいです。活版でなくても、パラパラとめくってみれば更に美しさが増します。
と、我慢しました。今回、文字を打ちながら、音読しながら、私は下田逸郎のことを何も知らないなあと思いました。
だけど、下田逸郎の唄と人間下田逸郎は同じなんだと妙に自信を持って感じました。


この秋からの下田逸郎ライブは、「唄ことばの朗読と弾き語り」という形を考えています。
“唄ことば集”の文字と音読と下田逸郎の唄の3通りを味わっていただけたらと計画しています。

ライブ会場でも「唄ことば集」の販売を致しますが、11月11日の発売日よりも早くお届けできそうです。
ご希望の方は、通信所まで郵便振替でお申し込み下さい。年内に限り、送料無料とさせていただきます。
下田逸郎の唄ことば以外、余計な事は最小限におさえたつもりです。どうぞ、お手にとってご覧いただきますように。


口座番号/ 01770−9−79110
加入者名/ 下田通信所
唄ことば集 定価 2000円




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