所長のひとひら通信2010/9月





 〜2010.9.25〜
  所長のひとひら通信4
                下田通信所 所長 西谷千里



NY公演に際しましては、プログラムの広告、またDVDのカンパと、多くの方々に応援していただきました。心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
お陰さまで、雪にも負けず、4日間の公演はほぼ満席。客席は、日本人以外の方のほうが多く、下田さんの構成力と楽曲の美しさを高く評価していただきました。

1年半に及ぶ下田さんの準備は、A4コピー1500枚。焼いた音資料CD110枚。
唄と語り、映像と踊りでストーリーを展開していきます。

昨年の6月、NYでのオーディションを兼ねて打ち合わせに行きました。歌手はイタリア人のサラ。ウクライナ人のナディアが決まり、歌詞も4カ国語にひろがりました。中でも、舞台の美術・照明などを担当してくれるWATOKUさんは、福岡県中間市の出身で、NYでご自分の劇団を持っている人です。運良く夏休みに福岡に帰って来たので、3回ミーティングをすることが出来ました。下田さんと意思の疎通をはかれたことは、遠距離で準備を進める上でとても助かりました。

たった5回のセリフでストーリーを語ったのは、女優のメレディス。間際まで決まらなかったので、プログラムに写真も載っていません。「ウーピーゴールドバークのようなの黒人女優の感じ」という下田さんの希望で選ばれた人です。「みんな、食われちゃうかもよ」WATOKUさんから、安堵と自慢の混じった声で決まったと連絡がありました。「彼女、セリフが気に入ったそうだよ」
本番4日前にNY入りし、3日間のリハーサルで仕上げなければなりません。
全員が顔を合わせるのもこれが初めてです。
メレディスは、自分の出番以外は、踊り場でぶつぶつとセリフを覚えていました。その集中力を感じさせる背中に「すてき!」とうっとりせずにはいられませんでした。


登場人物が多く、面白い出来事も多かったのですが、頭がDVDの制作のまま切り替わらないので、どこから書いていいのか迷います。何回かに分けて、ゆっくり書いていこうと思いますので、今回はこのへんで。

話は変わりますが、下田通信所を始めて20周年となりました。「目を離すとすぐいなくなる」というファンの方々に、「下田さんは今ここです」という役割が出来ればというところから始めました。創った作品も今回で16作になります。
今回は、アメリカということもあり、しかもLa MaMa劇場がNPOということも加わって、契約書の作成など、しかも英文でとなると、私の能力の範囲をはるかに超えています。日ごろの行いがよかったのでしょうか!私と組んでくれる人が現れました。NYはツアーに参加して来てくれました。新生音楽部です。

飯塚に来て、野菜がこんなに長期もつものだと初めて知りました。3日で腐ると思っていたのが、1ヶ月近くもつので、これはおかしいと思って、最初のころは悪くなっていないと思っても捨てていました。都会から帰ってきた人に話すと「私も何で三日で腐るのと不思議だった」とのこと。
あらゆるものが新鮮で作っている人の顔が見える。山の中ですが、炭鉱の全盛期の流通そのままに、魚は港からまっすぐ飯塚に入るそうで、新鮮なものが手に入ります。もともと料理は好きだったので、夏祭りに出店したり、バイキングに出品したりしながら、食の仲間も出来ました。野菜の味が濃いので、私は最近出汁をとらず料理をしています。料亭に一品出しているスーパーばあちゃん曰く、「料亭の出汁は素材を殺す。家庭の出汁はこれでいいの」との指導を受け出来上がった粉末は、パックに詰めず、びんに入れました。煮物も汁物もスプーンで振り入れます。「この方が栄養が全部とれるけんね」

無農薬の梅に最高級品の塩をして、梅酢が上がったら取り出して1年間天日干し。時々ひっくり返しながら出来上がった梅。種を取り除いて梅を刻み袋詰めにしました。炊き上がった御飯に混ぜるだけ。お弁当に・おにぎりに最高です。食品部の誕生です。

今回のNYは、La MaMaがびっくりするほど、カメラが入りました。ステージに障子のスクリーンを創り裏から映しました。誰の頭も邪魔になりません。

NY公演のDVDは、10月中旬に完成の予定です。
「ひとひら」一曲だけが初日分、それ以外の曲は最終日を収録。公演自体には手を加えていません。イジマカオルさんに通信所近辺の景色、三郡山と穂波川の映像を加えてもらいました。そのために、下見と本撮りと2回も通信所に来てくれました。
ステージの映像は木村誠さん。歌詞カードの写真は谷川瑠美さん。下田さんが、また楽譜を書きました。楽譜と写真のデザインは、野村高志さんとカチドキの若いみなさん。ちょっと素敵な譜面写真集です。
これで映像部も出来たでしょうか。


もっともっとおもしろく遊べるんじゃないか?3つも部があるなら、名づけて「ひとひら工房」はいかがでしょうか。
下田通信所は、解散とか終了とかではありません。20年目から次の20年へ向けての、80歳で現役で働ける気力・体力のあるばばあを目指しての出発であります。一緒に遊べる人たちが増えたということでしょうか。

2010年9月23日

                               下田通信所 西谷千里







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